猫とお絵かき徒然日記

日々徒然なるままに飼い主の邪魔ばかりする猫をお共にあんなことを言葉にしたりイラストにしたり。

「風立ちぬ」観に行きました。

 

堀越二郎の夢や心情風景の場面がとても多くて彼は夢と現を常にさまよっているちょっと特殊な人だなあという印象が全体的にありました。自分が「美しい」と思う飛行機を創るために会社の上司や同僚、高圧的な軍部や余命いくばくもない恋人さえも言葉少なに静かに引き寄せ巻き込んでいく堀越二郎の存在感がすごい。これまでのジブリ作品はヒロインが異彩を放っていたのですが今作品はそういう意味でも別格です。

宮崎監督が自分の映画で泣いたのは初めてということで、てっきり私は二郎と菜穂子のシーンかなと思いきや実は堀越と本庄がドイツに派遣され、ユンカース社の工場に行った場面だったそうです。(これは「文藝春秋」8月号で宮崎監督と作家半藤一利さんとの対談の中で述べられていていました。私としては「ええっ、そこなの?」ってw)

 

当時はまだ日本とドイツはさほど親密ではなく日本の技術者は大変ぞんざいな扱いを受けていたとか。西洋列強に比肩しよう、遅れを取り戻そうと必死であったかつての日本人技術者の姿が思い起こされ監督の琴線にふれたのでしょうか。

庵野監督の堀越二郎は思ったほど違和感がなく良かったかな。しかし「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」も順調に停滞していらっしゃるようですので声優業は今回限りということでぜひとも本業に邁進してくださいませ。個人的には黒川役(堀越の上司)の 西村雅彦さんがものすごく上手だなと思いました。最近何くれとなく声優問題がネットで論じられていますがもともと宮崎監督は東映動画時代から俳優を多く起用する傾向があって実はプロの声優にこだわらないというのは彼にとって最近のことではなかったりするんですよね。

「風立ちぬ」映画館に行って観る価値十分アリ♪