猫とお絵かき徒然日記

日々徒然なるままに飼い主の邪魔ばかりする猫をお共にあんなことを言葉にしたりイラストにしたり。

『かぐや姫の物語』観てきたよ

一言でいうなら「困った姫様の物語」かな。

彼女は愛らしく気品があり
育ての親である翁と媼から愛され
5人の貴族から愛され
帝からも愛されて
皆からモッテモテだったのに
結局のところ幸せにはなれませんでした。
物語前半すごい健康優良児だったのに~。

実家(月)からの物資の仕送りもハンバがなく
彼女が危機的状況に陥っても大丈夫なよう
24時間危機管理も十分行き届いています。
何という待遇の良さ!

(・・・これ、本当に罰だったのでしょうか?)

口さがない貴族に「偽物の姫」と陰口をたたかれ
猛烈に怒りと絶望をあらわにしたのは
彼女が自らの心に何者をも持つことができなかったため。
彼女は瞬発的に「受け入れられないもの」を拒否する力は強いけれど
「どう生きていくべきか」を考える持久力をあまり持たない
受け身なところが監督からすれば現代的だったのでしょうか。

オリジナルキャラの捨丸の存在がもう一つの姫の未来を示唆しているようですが
彼女がほしかったのは恋人や夫ではなく自らが生きる指針となる何かだったのでしょうね。

個人的にはロッテンマイヤー相模がなぜか気に入っています。

高畑勲が飛行シーンを描くとは意外や意外。
でも彼の描く飛行シーンはやがては地上に落ちるためのものなのですね。

この作品は『風立ちぬ』ほどあれこれ考察を必要とはしない作品だと思います。
日本最古のSF『竹取物語』を原作とした素晴らしいアニメーションですからぜひとも映画館に行って日本トップレベルの美しい技術を堪能してみてください♪